5つの漢方生薬

五漢生の粉
五漢生の粉とは、ガジュツ、カボチャの種、トウモロコシのめしべ、ケイヒ、ハトムギという5つの漢方生薬の粉末の略称です。インターフェロン発見者の小島保彦博士によって開発されました。「小島抽出法」という独自製法で抽出されています。インターフェロンを増やす働きがあるとわかっています。
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インターフェロン発見者が開発!インターフェロンを増やす5つの漢方生薬の粉末

健康長寿の鍵を握るインターフェロン

「神仙不死は努力しても得られないが、養生延寿は努力によって得られる」ということわざをご存じでしょうか。3世紀ごろに中国で活躍した賢人の言葉です。神様、あるいは神通力を持った仙人のような不死は努力では得られないものの、養生など努力によって長寿は得られるという意味です。

人間の寿命に関しては遺伝子の存在が最も重視されてきましたが、現在ではさほど重きを置かれていません。生活環境とふだんの食事が寿命に大きな影響を与えていることが解明されてきたからです。実際、生活習慣と食に対する気遣いで、老化度には25歳の時点で±4歳、55歳の時点で±14歳の差が出るといわれています。

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私は1954年、東京大学伝染病研究所(現・東京大学医科学研究所)在籍時に、「ウイルス抑制因子(インターフェロン)」を世界に先駆けて発見しました。インターフェロンは、抗ウイルス作用・抗腫瘍作用・免疫調整作用などを持つたんぱく質です。現在の医学界では、「インターフェロン製剤」としてインターフェロンを注射によって投与するのが主流ですが、副作用が問題となっています。

現代医学は、外敵を直接倒せば病気が治まるような対処には威力を発揮してきました。優れた機能物質を精製単離することで、急性疾患に功を奏してきたわけです。現在、残されている病の多くは原因が多岐にわたり、亜急性的・慢性的経過をたどるため、一つの物質があわせ持つ多くの機能の活用が必要となってきました。それには植物の持つ多機能性がまさに相当します。

自然界の植物には、必要に応じて人間や動物の体内のインターフェロンの産生を促す「インターフェロン・インデューサー」というものが存在します。体内でインターフェロンを増やす植物には、どのようなものがあるのか――。私は長い歳月をかけて、漢方生薬をはじめとする数百種類の植物の機能性を一つひとつ調べていきました。

インターフェロンを増やす働きが強い植物を特定すると、産地や抽出するさいの水温、圧力、抽出時間など、漢方生薬ごとに異なる最適な抽出方法を突き止めました。インターフェロン・インデューサーとしての働きを最大限に高めた漢方生薬の開発に成功したのです。

インターフェロンを最も効果的に増やす植物として私が選んだのは、ガジュツ、カボチャの種、トウモロコシのめしべ、ケイヒ、ハトムギといった5つの漢方生薬の粉末です。「五漢生の粉」などと呼ばれ、ウイルスが原因で起こるB・C型肝炎や帯状疱疹の患者さんに愛用されていると聞いています。

小島抽出法で抽出された活性高分子多糖体

マクロファージの働きは漢方生薬によって活性化

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私たちの免疫力が正常な機能を維持するには、「マクロファージ」という免疫細胞の働きが欠かせません。マクロファージには、インターフェロンを作り出す働きもあるからです。5つの漢方生薬は、マクロファージに活力を与えることがわかっています。

例えば、肝臓にはクッパー細胞というマクロファージの仲間が多く存在しています。クッパー細胞は、肝臓で解毒や老廃物の処理の手伝いをするほか、ウイルスや細菌などの処理を手伝う働きがあります。インターフェロンを介して、ウイルスを撃退するナチュラルキラー(NK)細胞などの応援要請を行っているのです。

インターフェロン・インデューサーを飲んだB・C型肝炎の患者さんの多くは、ALT(GPT)、AST(GOT)といった肝機能値が改善しています。インターフェロンが増え、肝細胞の防御体制が高められた結果と考えられます。免疫力の低下がきっかけで起こる帯状疱疹や口唇ヘルペスなどが改善した人が多いのも、同じ理由からです。

しかし、冒頭でお話ししたとおり、健康にいいことは長く続ける必要があります。インターフェロン・インデューサーを「養生延寿」の手段の一つとしていただけると、研究者冥利に尽きます。

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