ウイルスに打ち克つために必要なインターフェロンを増やす5つの漢方生薬!(2/2)

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マクロファージを元気にしてインターフェロンを増やす働きがあるのが、紫ウコン(ガジュツ)、カボチャの種子、トウモロコシのめしべ、ケイヒ(シナモン)ハトムギといった5つの漢方生薬の粉末です。便宜的に、頭文字をとって五漢生の粉と呼んで話を進めます。

ウイルスに打ち克つために必要なインターフェロンを増やす5つの漢方生薬!(1/2)

五漢生の粉を開発されたのは、インターフェロンの第一発見者の1人として世界的にも有名な小島保彦先生です。

仕事の拠点を東京大学伝染病研究所(現・東京大学医科学研究所)から北里研究所に移された小島先生は、インターフェロンを増やす漢方生薬が存在することを見つけました。細菌やウイルスにさらされながらも、元気に活動するウサギがヒントだったといいます。"元気の秘訣は食にあり"そうした仮説と情熱から導きだされた画期的な研究成果でした。

その後、数百種類の漢方生薬のインターフェロン産生力を地道に調べていき、厳選されたのが五漢生の粉です。抽出の際、5つの生薬ごとに最適な水温・圧力・時間があることも突き止め、「小島抽出法」という製法で最高の品質となるように粉末化されています。

五漢生の粉はマクロファージを元気にしますが、インターフェロンは必要な時だけ作られます。自分の細胞から必要に応じて分泌されるわけですから、副作用の心配はありません。

小島抽出法で抽出された活性高分子多糖体

それでは、データをご紹介しますC型肝炎の患者さんを対象に行った試験では、五漢生の粉を飲んで1ヵ月でIb型のC型肝炎ウイルスが減りはじめ、3ヵ月後には激減していたことが報告されています。具体的には、3400から610までウイルスが減少していたのです。

このように、五漢生の粉はB・C型肝炎の改善に役立ちます。改善効果は肝炎ウイルスだけにとどまりません。自然免疫は特定のウイルスだけではなく、有害なあらゆる細菌やウイルス、さらにはガンなどの異物に対しても効果を発揮するかもしれないといわれています。

身近な例としては、五漢生の粉は高齢化により患者数が増加傾向にある帯状疱疹の悪化や再発防止にも役立っています。

帯状疱疹とはヘルペスウイルスの1つである水ぼうそうウイルス(水痘ウイルス)が原因で起こる病気です。神経に沿って皮膚に帯状の水ぶくれを作ることから、帯状疱疹と呼ばれています。

ところで、なぜ子供のときに克服したはずのウイルスが帯状疱疹を引き起こすのでしょう。

10歳までにかかることの多い水ぼうそうは、だいたい1週間ほどで治まります。しかし、水ぼうそうの改善は水痘ウイルスの消滅を意味するわけではありません。実は、水痘ウイルスが神経節という神経の中継所に隠れた結果でしかないのです。

元来とても弱い水痘ウイルスは、私たちの免疫力が低下すると再び勢いを取り戻します。神経節から神経に飛び出したときに起こるのが帯状疱疹。免疫力低下の主な原因には、ストレスや加齢のほか、免疫抑制剤の使用などが挙げられます。

帯状疱疹は、皮膚症状が治まってからもピリピリとした痛みや激痛をいつまでも残すことがあります。「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれる後遺症です。ウイルスに傷つけられた神経の回復が良好な若い人よりも、回復力に衰えが見られる高齢者の方が帯状疱疹後神経痛に移行しやすいとわかっています。

インターフェロンを増やしてウイルスへの抵抗力を高める五漢生の粉は、帯状疱疹対策に有効です。帯状疱疹の重篤化や、再発防止に役立てている人は少なくありません。帯状疱疹後神経痛になってしまうと、治療が非常に難しくなってしまう現実があります。帯状疱疹が出た場合、早い段階で五漢生の粉を飲むといいでしょう。

帯状疱疹と同じように、五漢生の粉は唇の周りにできる「口唇ヘルペス」にも有効です。意外なところでは、回転性のめまい・耳鳴り・耳閉感などの症状で知られる「メニエール病」という内耳の病気の改善例も報告されています。

なお、五漢生の粉は朝食前に飲むのが最も効果的。免疫の中心を担うマクロファージには、朝から活動を始める性質があるからです。マクロファージに1日中元気に働いてもらうために、好物である五漢生の粉をエネルギー源として朝いちばんに与えることが重要といえるでしょう。

牧野桂花先生(ラファエルクリニック院長)

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