食のバリアフリー!アレルギーがあってもベジタリアンでも食べられる美スイーツのすすめ

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管理栄養士の河合さほりです。本日から「植物性100%の美スイーツ」の連載がスタートします。植物性100%のスイーツは、日本ではまだあまり知られていません。そこで今回は、植物性100%の美スイーツがどのようなものか、ご紹介していきます。 

少しずつ増えている"植物性100%"のスイーツ

アメリカなど欧米では、ベジタリアンの人口が日本に比べて多いため、植物性100%のスイーツが日本よりも多く存在しています。ハリウッドセレブが美容のために取り入れていることで話題になったココナッツオイル、チアシードをはじめとする"スーパーフードブーム"が日本でも起こりました。その結果、「食べ物で体の内側から美しくなる」という考え方が浸透しつつあります。最近では、「体に優しい」「一般的なスイーツよりも美容にいい」「肌が荒れない」「胃もたれしにくい」といった理由から、ベジタリアンでなくても植物性100%のスイーツを選ぶ人が増えています。植物性100%のスイーツを提供する店も、少しずつ増えてきています。 

植物性100%のスイーツの特徴

①一般的なスイーツの材料に使われるバター、卵、生クリームなどの動物性食品を使わない

動物性食品の代わりに、植物性食品を使用します。

〈バター〉

常温で固体のバターはスイーツで多量に使われる材料の一つですが、過剰摂取は動脈硬化を促進する一因となります。たんぱく質や脂質が多い一方で食物繊維が含まれていない動物性の食品は、腸内で悪玉菌も増やしてしまいます。野菜など善玉菌を増やす食材といっしょに食べることのないスイーツ。動物由来の原料を除けば、腸内環境にも優しいた食品になります。

→植物性100%のスイーツでは常温で液体、抗酸化作用もある植物性の油(菜種油、白胡麻油、オリーブオイル、ココナッツオイルなど)を使います。

〈卵〉

お菓子作りにおいては、コクを出すために使用します。生地を膨らませる役割もあります。ふだんの食事でも使うことが多い卵は、過剰摂取になりがちです。コレステロールのとり過ぎを防ぐためにも、植物性100%のスイーツでは卵は使用していません。安心・安全の側面もあります。放し飼いされていないためにストレスがかかっていたり、抗生物質やホルモン剤が混ぜられているエサを食べたりしている鶏から量産される卵。国の安全基準はクリアしているものの、気にする人は少なくありません。

→植物性100%のスイーツでは、山芋や豆乳、アルミニウムを使用しないベーキングパウダーなどで代用します。

〈生クリーム〉

お菓子作りではコクを出すために使用します。ホイップクリームとしても使われる生クリームは、バターと並んでスイーツによく使われる材料の一つです。脂質が多く含まれているため、過剰摂取はバターと同様、体にとって必ずしてもいいものではありません。

→植物性100%のスイーツでは豆乳をはじめ、ココナッツミルクやココナッツクリームなどを使うことでコクを出したり、ホイップクリームの代わりに豆腐や芋や果物を使ったクリーム、市販されている植物性の豆乳ホイップなどを使います。中でも豆腐や豆乳は、良質な植物性たんぱく質や、女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンを含み、美しい肌づくりを促進します。

②白砂糖を使わない

白砂糖は、カロリー以外の栄養素がほとんどありません。血糖値の乱高下も問題です。白砂糖をとると、頭がぼーっとしたり、眠くなったり、イライラしたり、また甘いものが欲しくなったり、低血糖に似た症状を引き起こしやすくなります。

→この条件は絶対ではありませんが、植物性100%のスイーツを作っているメーカーやお店は、「体に優しい」をコンセプトにしていることが多いため、白砂糖を使わないところが増えています。具体的には、ミネラルを含み、白砂糖より血糖値が上がりにくいきび砂糖や甜菜糖(てんさいとう)、はちみつやメープルシロップなどがよく使われます。また、私がお伝えしている【「体に優しくてかわいい甘いもの」を選びたい妊婦さんのためのマタニティスイーツ】(授乳ママさんや小さなお子さんにもおすすめのからだ想いのスイーツ)では、ビタミン・ミネラル・食物繊維などをより多く含む果物、ドライフルーツ、甘酒なども白砂糖の代わりに使っています。

③アレルギーを持つ人でも食べられる

植物性100%のスイーツは、バター・生クリーム・牛乳などの乳製品や卵を使わないため、近年増えている卵・乳製品アレルギーのお子さんでも食べることができます。また、小麦粉の代わりに米粉を使用しているスイーツも増えてきているので、小麦アレルギーがある場合はそちらを選ぶといいです。植物性100%のスイーツが以前より浸透してきたこともあり、アレルギー対応のケーキを扱うケーキ屋さんも少しずつ増えてきているので、アレルギーを持つお子さんでも、普通のお子さんと同じようにケーキやスイーツを楽しむことができるようになってきました。

ただし、卵・乳製品不使用などと書かれていても、同じ工場や厨房内で卵や乳製品を使っていて、厳格なアレルギー対応用として作られていないものもあるので、原材料表示やパッケージの表示を確認したり、お店の方に確認したりするようにしましょう。 

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世界からも注目される、日本の植物性100%スイーツ

日本には、豆腐や豆乳などをの大豆食品が伝統的な食文化として根づいています。豆腐や豆乳を使うことの多い日本発の植物性100%のスイーツは、日本の食文化を伝えるコンテンツにもなります。健康的でベジタリアンの方も食べられる日本の植物性100%のスイーツは、実際に海外からも注目されています。また、豆腐や豆乳だけでなく、米粉や、NYで日本のスーパーフードとしても話題になっている抹茶、きなこ、黒ごま、甘酒、果物、寒天、小豆など、スイーツと合う素材が多いのが日本の食文化の特長です。

2020年に東京オリンピックが開催される日本では、外国人に向けて日本の食の魅力を発信していくことが重要になります。植物性100%のスイーツは大きな存在の一つとなることが予想されます。 

植物性100%スイーツを食べるには?

では、どうすれば植物性100%のスイーツが食べられるか?キーワードは、「マクロビ」(マクロビオティックの略)と「ローフード」です。どちらも自然食を取り入れた、植物性の食事法のジャンルを指す言葉です。最近では、マクロビやローフードのカフェが都内を中心に増え、自然派のコンビニなどでも見られるようになってきました。そのような場所では、植物性100%の「マクロビスイーツ」や「ロースイーツ」を食べられることが多いです。インターネット上でも植物性100%のスイーツのお店が増え、いろいろな植物性100%スイーツのお取り寄せも可能になってきています。

最近では、「マクロビスイーツ」「ロースイーツ」と書かれたレシピ本や、インターネットのレシピも増えてきているので、自分で作ることもできます。私のブログでも、植物性100%のスイーツのレシピを載せているので、ぜひ参考にしてみてください。 

楽しい植物性100%スイーツライフを!

植物性100%スイーツは、クッキーからケーキ、アイスクリームまで、一般的なスイーツと同じように多様なラインナップがあるので、スイーツ好きの方も楽しめます。自分へのご褒美スイーツと称して、心だけではなく、体にとっても優しいスイーツとして選ぶのも素敵かと思います。最近なんだか疲れ気味だな、肌の調子がよくないな、気持ちが落ち込み気味だな、おなかの赤ちゃんのために体にいいものを選びたいな、など、体を想いやってあげたい場面で選んでみることから、ぜひ試してみてください。胃もたれしにくく、優しい甘さのものが多いので、男性や年齢を重ねて一般的な甘いスイーツが苦手になってきた方にもおすすめです。

次回は、簡単にできる植物性100%スイーツのレシピをご紹介します。植物性100%スイーツのレシピは、旬の果物や甘酒なども活用するのが特徴です。日本の食材の魅力を感じながら、心も体も内側から健康的に美しいスイーツライフのためにご活用ください。

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ライター/ 管理栄養士 河合さほり

果物や甘酒などの甘みを活かした植物性100%のスイーツ、マタニティスイーツのレシピ提供、商品開発、教室などで活動。

ブログ:http://s.ameblo.jp/shokude-bihada-happy/

Twitter:http://www.twitter.com/horinkopink

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