かるかんやさつまあげ、そうめん流しに白熊――1年過ごしたふるさと・鹿児島は素晴らしい街でした
私の名前はインタンです。インドネシアから来ました。 1年間の交換留学生として、鹿児島大学で勉強していました。私が通っているディポネゴロ大学と鹿児島大学は、姉妹大学としての協定を結んでいます。2015年以降、鹿児島大学との交流は活発になりました。私にとって初めての日本。 とてもワクワクしていた一方で、不安もありました。当時、日本語を話せなかったからです。家族と離れて暮らすのも、私にとって初めての経験でした。
私が鹿児島に来たのは、2015年4月1日です。春になる前で、少し寒かったのを覚えています。 沿道にはたくさんのサクラが咲いていました。初めて見たサクラに感動しました。"とてもきれいな街"というのが、鹿児島の第一印象です。 大気汚染もなく、空気もきれいでした。鹿児島は静かで穏やかな街といえるでしょう。
鹿児島の人
鹿児島の人々はとてもフレンドリーで親切です。最初はコミュニケーションをとるのに苦労しました。英語がうまく伝わらなかったからです。しかし、それが日本語を勉強する動機になりました。鹿児島のみんなはいつも、日本語を話す手助けをしてくれました。私が言葉の意味を理解できるまでやさしい日本語でゆっくり、ゆっくりと話しかけてくれるんです。街で会った人たちも、いつも笑顔であいさつをしてくれました。
四季とお祭り
鹿児島での暮らしで、私は四季を体験することができました。春、4月にはいろんなところできれいなサクラを目にしました。多くの人は、川沿いのサクラの木の下にピクニックに出かけます。これが日本の花見です。6月には、激しい雨がたくさん降りました。梅雨が終わると、夏といっしょに休みがやってきます。私はこの季節がいちばん好きでした。夏祭りがあったからです。 迫力のある花火や日本の伝統的な衣装である浴衣を見ることができます。
10月になると季節が変わります。少しずつ寒くなり、鹿児島に秋がやってくるんです。 この時期の赤く染まるカエデの葉が私は好きでした。おはら祭を楽しめるのも、この季節です。おはら祭は、ユニークな衣装を着てたくさんの人といっしょに路上でおどりを踊る鹿児島の伝統的なお祭りです。秋が終わって12月になると、いっきに寒くなります。冬の訪れを意味します。私たちは、鹿児島のイルミネーションを楽しみました。とてもきれいでした。四季があるから、おしゃれも楽しめます。夏の服を冬に着ることはできませんし、冬の服を夏に着ることもできません。季節ごとに服を変える必要があるんです。
鹿児島の食
イスラム教徒(ムスリム)である私たちは、豚肉やアルコールを口にすることができません。この問題は最初は深刻でした。漢字が読めなかったからです。豚由来の原料が含まれているかどうかを、判断することができませんでした。 ですから、ハラール製品を使って自分で食事を用意していました。たくさんのムスリムがいるとはいえないのに、鹿児島には幸いにも多くのハラール製品がありました。鹿児島の人々も私たちをサポートしてくれました。例えば、私がレストランで漢字が読めなかったとき、ウエイトレスの女性は豚肉や豚のエキスが含まれていないメニューを親切に教えてくれました。鹿児島でハラールフードが買える場所や貸切温泉(家族湯)があるところなどを調べてもらったうえで、キャンプにも出かけました。 温泉はお肌にいいことがわかっています。ムスリムは、他人の前で肌を見せることができません。鹿児島には私たちムスリムでも利用できる家族湯があります。
鹿児島の食といったらサツマイモ。とても甘くておいしいです。私の意見ですが、鹿児島産の野菜や果物は甘みがあって、どれもおいしいと思います。かるかんも大好きな食べものの一つです。コメ粉やヤマイモを使った甘みのある和菓子です。アズキも入っています。インドネシアの家族に、おみやげとして買って帰っていました。みんな喜んでくれました。さつまあげも忘れることはできません。さつまあげは魚のすり身を油で揚げたミートボールのような食べものです。うどんといっしょに食べました。夏になると、そうめん流しや白熊を楽しむことができます。そうめん流しは、冷たい水の中を流れてくるそうめんを箸で掴み、めんつゆにつけて食べるものです。こちらもアメージング。白熊は日本のデザートです。練乳のほか、カラフルなフルーツや餅、甘い豆がトッピングされています。フレッシュで甘く、とてもおいしいんですよ。夏の暑い日に食べると最高です。鹿児島でいちばん好きな食べものかもしれません。私は鹿児島をおすすめします。