日本初!鹿児島県鹿屋市の"バラ博士"がバラの女王・ダマスクローズの有機栽培を成し遂げていた
(ダマスクの風フェイスブックより)
鹿児島県大隅半島に位置する鹿屋市には、1993年に開設された「かのやばら園」があります。初代園長に就任したのが門倉美博さん。「バラ博士」と呼ばれる人物です。世界各国から4,000種類を集めた門倉さんは、品種の多さ日本一のバラ園(当時)を築き上げました。花の中でも最も難しいといわれるバラの栽培に20年以上取り組んできた門倉さんが設立した新たな名所に、いま注目が集まっています。
新たな名所とは、2012年にオープンしたダマスクの風のこと。無料で開放されているバラとハーブの農園です。ローズマリーやゼラニウム、ジャーマン・カモミールやドクダミなど、年間200以上の品種が花を咲かせます。これらは、肥料や農薬を使わずに手間ひまかけて育てられています。
ダマスクの風の主役はダマスクローズ。"バラの女王"と呼ばれ、世界に2万種類以上あるバラの中で最も人々に愛されてきた品種です。クレオパトラも魅了され、リラックス効果のあるダマスクローズの香りを楽しんでいたといわれています。ダマスクローズは現在、香水や化粧品の原料としても珍重されています。シャンプーやトリートメントなど、"ダマスクの風産"のダマスクローズを使った製品も開発されています。
ダマスクの風は、農林水産省から「オーガニックJAS認定」を受けていることでも知られています。ダマスクローズ栽培における認定は日本でここだけ。多くの化学肥料や化学農薬が欠かせないといわれてきた中、無肥料・完全無農薬でのバラの栽培が実現した背景には、門倉さんの自然農法へのこだわりがありました。子どものころから花が好きだったという門倉さんは、「ハチや鳥、そのほかの虫も必要なものばかり。土を豊かにしてくれる雑草も同じ」と話します。実際、除草は最小限にとどめ、防虫剤にも人と環境に優しい天然素材から作ったものを利用しているそうです。その結果、幸せを呼ぶ青いハチといわれるブルー・ビー(ルリモンハナバチ)をはじめ、多くの昆虫がハーブの蜜を求めて、ダマスクの風に飛んでくるようになりました。
自然と触れ合い、心豊かな時間を過ごせるダマスクの風には、カフェが併設されています。数種類の生のハーブを使った生ハーブティがいちばん人気。"ここでしか食べられない"というオーガニックダマスクローズ入りのバラのソフトクリーム(3〜11月)もおすすめです。