戦国時代の武将の陣羽織に使われた鮮やかな赤!元気が出てくる和色[猩猩緋]

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近年、技術の進歩によってブランド・トマトが増えています。ハニーポニックという独自に研究開発した養液栽培システムを取り入れている静岡県の「アメーラトマト」や、水を与えずにトマトの生命力を最大限引き出している高知県の「徳谷トマト」など、全国各地でブランド化したトマトが作られるようになりました。

いまでこそトマトは、抗酸化作用が強いリコピンやビタミン、ミネラルを豊富に含んでいる緑黄色野菜の一種として食べられています。しかし、もともとトマトは食用ではなく観賞用として楽しまれていました。原産地は南米のアンデス山脈。スペイン人が16世紀に南アメリカに到着すると、さまざまな植物の種を国に持ち帰りました。トマトの種も例外ではありませんでした。その後、スペインからヨーロッパ全土にトマトは広がっていったのです。

トマトは緑の実をつける"ベラドンナ"という植物に姿が似ています。ベラドンナには猛毒が含まれています。そのため、トマトには毒があると信じる人も昔は多かったそうです。これがトマトが観賞用に留まっていたゆえんです。ところが、イタリアの貧しい人たちがいざトマトを食べてみると、毒がないことがわかりました。その結果、よりおいしいトマトを作ろうと、少しずつ品種改良が重ねられていったのです。日本でトマトが食べられるようになったのは明治以降。日本産トマトの品種改良が盛んに行われるようになったのは昭和に入ってからでした。

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品種によってさまざまな色を持つトマト。特に鮮やかな赤色のトマトは猩猩緋(しょうじょうひ)に分類されます。猩猩緋とは、鮮やかな緋色のことで、戦国時代に武将が威光を誇示するための陣羽織に用いられていました。また、猩猩とは中国の伝説の生き物で、猩猩の血で染めたと伝えられる伝説にまつわる色といわれています。猩猩緋に該当する食材には、スイカやトウガラシなども挙げられます。スイカはカリウムを多く含み、利尿作用が高い食べ物です。熱を逃がす働きもあるため、旬の夏に食べることは理にかなっています。カプサイシンというからみ成分が含まれているトウガラシには、アドレナリンを分泌させて発汗作用があるといわれています。

赤色に属する猩猩緋は「情熱・興奮・活力」といった強いエネルギーをイメージする色。元気がほしいときや自信を取り戻したいときのきっかけになる色です。赤色は暖色の代表的は色で、人に暖かみを感じさせます。赤に囲まれた部屋では体感温度が2~3℃上がるという実験結果が報告されているほどです。猩猩緋の下着や靴下、小物をファッションやインテリアに取り入れることで、寒さの対策になるでしょう。

リコピンやビタミン、ミネラルを多く含むトマトはとても万能で、生で食べるのはもちろんのこと、サラダや炒め物、スープなど冷やしても熱を加えてもおいしく食べることができます。手軽におしゃれにおいしく食べる方法しては、カプレーゼがおすすめです。カプレーゼとは、薄切りにしたトマトとモッツァレラチーズにバジルを散りばめて、オリーブオイルとコショウをかけたイタリアンサラダです。オリーブオイルをかけることで、油に溶けやすいリコピンの吸収率が高まって抗酸化作用をより高めることができます。カプレーゼはイタリアンの基本中の基本で、見た目もかわいくおしゃれなため、おもてなしをするさいにはもってこいの一品。ブランドトマトは糖度が高いため、塩を少しふることでより甘みが増して満足度の高い一品になることでしょう。

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