腎臓専門医レポート!インドールやAGEを吸着・排出する純炭粉末の利点を解説

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健康診断で血中クレアチニン値の高さを指摘され、慢性腎臓病(CKD)の不安を抱きながら再検査を受けたという方は多いのではないでしょうか。

慢性腎臓病と診断された場合、まずは食事療法を指導されます。腎機能の低下を抑えるクレメジンという治療薬があるものの、処方には条件があり、軽度~中度の状態では飲むことができません。

保険診療の定めによって、クレメジンを処方するには腎機能が進行性で低下していることが必要です。進行性とは、3ヵ月間連続で推算ろ過量(eGFR)の数値が低下している状態のことです。例えば、eGFR値が3ヵ月間、45のままであった患者さんは、進行性とは判断されないため、保険上のルールとしてはクレメジンの処方はできません。eGFR値が3ヵ月間に、60から45に低下した場合は、進行性の慢性腎臓病と判断できるので、クレメジンを処方できます。

慢性腎臓病と思われても腎機能が進行性に悪化しているといい切れないために、クレメジンを処方できない患者さんに対し、多くの医師は食事療法のみの指導をしています。そのような中で私は、腎機能を軽・中度の状態で維持している患者さんでも飲める純炭粉末をすすめています。

動脈硬化の指標となるアルブミン酸化度やクレアチニン値が純炭粉末で改善

金沢の医科大学で開発された純炭粉末は、高純度のセルロースから作られています。国産炭の健康食品のため、医師の処方がなくても飲むことができます。有害物質のインドールやAGE(終末糖化産物)などを吸着する働きがあり、クレメジンと同等以上の力があると考えられています。さらに、クレメジンよりも飲む粒数が少なく、便秘の心配もほとんどありません。

実際に、クレメジンから純炭粉末に飲み替えることで腎機能の低下を抑えられたり、便秘が解消して生活の質が高まったりしている患者さんの例をご紹介しましょう。

●ステージG4で16.7だったeGFR値が20.5まで改善した70代の男性

ほかの病院で慢性腎臓病と診断された男性は、食事療法を指導されていました。塩分やたんぱく質の制限に取り組んだものの、腎機能が徐々に悪化してクレメジンを処方されました。クレメジンを飲むとeGFR値の低下は止まり、男性はホッとしたそうです。その後も腎機能を維持していたそうですが、クレメジンの副作用で便秘がひどくなり、飲むのが苦痛になったといいます。

病院から紹介されて私のもとに来られたこの男性は、クレメジンを飲むのがつらいといっていました。そこで私は、純炭粉末を飲むことを提案しました。純炭粉末は、老廃物を吸着・排泄するクレメジンと同等以上の働きがあるだけでなく、腸内環境も改善するため、便秘の心配が少ないと考えたからです。

男性は、2015年12月からクレメジンに替えて純炭粉末を、朝・晩の食事の2時間後に3粒ずつ飲みはじめました。食事療法もしっかりと行った結果、eGFR値は徐々に改善。2016年11月の検査では、eGFR値が20.5と改善していることがわかりました。男性は現在も便秘に悩まされることなく純炭粉末を飲みつづけています。

●ステージG5の腎不全と診断されているものの、eGFR値の低下速度に抑制がかかり、透析を回避している40代の女性

ほかの病院で2013年7月にeGFR値が33.1の慢性腎臓病と診断された女性は、自覚症状が特になかったため、食事療法を毎日行うことができませんでした。この女性のeGFR値は徐々に低下。15.6になったときにクレメジンが処方されています。クレメジンを飲んだ女性は、eGFR値の低下する速度がなだらかになりましたが、eGFR値は10ヵ月で2.5も低下していました。

血清ペントシジン濃度も0.201から0.273に上昇していました。ペントシジンは、臨床の現場で尿毒素を知るために用いられ、濃度が増えると尿毒症のおそれが高まります。私はクレメジンをもう少し増量すべきだと判断したのですが、1日6gまでという保険上の取り決めがあります。そこで、健康食品の純炭粉末の摂取を提案しました。

クレメジンは1日6gの場合、朝・昼・晩の食事の2時間後に10粒ずつ飲まなければいけませんし、顆粒でも1日3包飲まなければなりません。それに比べて純炭粉末は、朝・晩の食後の2時間後に3粒ずつですみます。クレメジンと効果が同等以上、上乗せ効果が期待できることもさることながら、飲みやすさの点からもおすすめできます。

2016年1月から純炭粉末を飲みはじめた女性は当時、eGFR値が5.1でした。クレメジンを飲んでいたときと比較しても、数値の悪化する速度は止まった印象でしたが、9月で5.3、10月には4.8でした。

糖尿病腎症の重症化防止に関する保険診療上の取り決めでは、eGFR値が30以下の患者さんでは、3ヵ月めに30%未満の低下に抑えられることが有効性の目安とされています。この患者さんの場合、純炭粉末を飲みはじめてからeGFR値が10ヵ月間で0.3しか下がっていません。純炭粉末を飲むことで、腎機能の悪化を抑えているといえるでしょう。

クレメジンを飲んでいる患者さんの中には、粒数が多くて飲みたくないと相談する方が少なくありません。クレメジンの量を減らすために純炭粉末と併用して飲んでいる患者さんもいます。人工透析をさけるためには、腎機能を維持させなければなりません。クレメジンを飲む前に純炭粉末を試し、腎機能の低下をなだらかにすることが重要です。

佐中 孜先生(メディカルプラザ市川駅院長)

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