温泉ラバーのアイマスクでポカポカ!肩こりや頭痛を伴う眼精疲労の解消には緩やかな保温を
あなたの目は疲れていませんか。スマホやパソコンを毎日長時間使っていると、目には疲労がたまります。それを放置すると、目の痛みや肩こり、頭痛や吐きけといった症状が起こる眼精疲労に直結します。水晶体というレンズの厚みを調節してピントを合わせている"毛様体筋"という小さな筋肉のこりが原因です。近くを見るためには、水晶体を厚く膨らませる必要があります。一方の毛様体筋は、水晶体が厚くなっているときは縮まって緊張した状態となっています。つまり、近くを見つづけると、毛様体筋がこり固まってしまうのです。
眼精疲労の改善には蒸しタオルなどで目を温めるのがいいといわれていますが、必ずしもいいことばかりではないようです。『目を温めると身体が自然によみがえる!』の著者である吉祥寺森岡眼科院長・森岡清史先生のお話しをご紹介しましょう。短時間で急に温めると、タオルなどの温度が下がるとともに目のまわりの血流も急激に低下します。その結果、目のまわりの筋肉がこわばってしまい、眼精疲労が悪化する場合もあるのだそうです。
ゆっくりと持続的に目を温めるのに最適なのが、森岡先生が書籍でも言及している"特殊素材"のアイマスクです。特殊素材のアイマスクの正体は、新潟県の黒姫山で採れる純度の高い石灰石を主成分とした合成ゴム。貴金属化合物や炭素も配合されています。遠赤外線による温熱効果のほか、ハチの巣のような構造による断熱効果もあります。温泉のようにじんわりと体を温める働きがあるため、温泉ラバーと呼ぶ人もいるようです。森岡先生が行った試験では、アイマスクをつけることで目のまわりの体温が1.1~1.3℃ほど上昇し、つけている間は保温効果が続くことがわかっています。毛様体筋のこりをほぐすには30分ほど時間が必要とのこと。眼精疲労による目の痛みや肩こり、頭痛や吐きけのほか、不眠の改善にも有効なのだそうです。
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アイマスクが毛様体筋に活力を与え、目の調節機能を回復させることも確認されています。森岡先生は、次のような試験を行っています。参加者に度の強い近視用のメガネをかけてもらって目の疲れを誘発させた後、普通のアイマスクをつけるグループ、温泉ラバーのアイマスクをつけるグループの2つにわけ、調節反応量を調べるというものです。調節反応量とは、簡単にいうと、対象のものを見る距離に応じて水晶体の厚みを調節してピントを合わせる力のことです。試験の結果、温泉ラバーのアイマスクをつけたグループでは、調節反応量に改善が見られています。試験では、毛様体筋の緊張度も測定されました。ピント調節機能の改善効果を裏づけるように、温泉ラバーのアイマスクをつけたグループでは、こり固まっていた毛様体筋が弾力を増すという結果が得られています(「日本臨床眼科学会」で報告)。
眼精疲労でお悩みのあなたは試してみるといいかもしれませんが、もちろん目の酷使に注意することが最重要です。スマホやパソコンを使うときは、こまめに休憩を取って目を休ませてあげましょう。