浜比嘉島にある有機JAS認定の月桃農園発!日本産オーガニック精油ができるまで

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有機JAS認定を受けている「月桃農園」は、沖縄県うるま市浜比嘉島にあります。那覇市から車でおよそ1時間半、沖縄本島中部に位置する浜比嘉島は「琉球」の発祥の地といわれ、祖神の"アマミキヨ"と"シネリキヨ"が住んだ島としても知られています。

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浜比嘉島の月桃農園で栽培されている月桃は、ショウガ科ハナミョウガ科の植物です。沖縄では「サンニン」とも呼ばれ、初夏にはきれいな花を咲かせます。月桃は古くから、ムーチーと呼ばれる沖縄の餠菓子の"包装容器"としても使われています。抗菌効果や防虫効果に優れ、天然の保存剤として親しまれてきたのです。多年草で成長の早い月桃は近年、付加価値の高い"地域ブランド"として全国へ出荷されています。月桃の加工品の中でも、大きな注目を集めているのが「月桃精油」です。

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私たちは浜比嘉島の月桃農園を訪ねて、精油の抽出を取材してきました。農薬や化学肥料を使わない自然農法で栽培されている月桃の背丈は、2m以上になります。収穫した月桃は月桃精油抽出プラント(加工工場)に運ばれ、カマを使った手作業で葉と茎に分けられていきます。その後、1枚60cmほどの大きさの葉を5cmにカットして専用の窯に詰め、「水蒸気蒸留法」という製法で月桃精油は抽出されていきます。

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月桃精油は100kgの葉からわずか70ccしか採れません。写真の上に浮いているオイルが月桃精油。とても貴重な日本産精油です。南国育ちのイメージどおり、爽やかで優しい香りが特長で、リラックス効果やコリをほぐす効果などがあるといわれています。水蒸気蒸留法では、比重の違いを利用して「月桃蒸留水」も得られます。肌にうるおいを与える月桃蒸留水は、化粧品原料としても重宝されています。

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月桃には棄てるところがありません。葉を刈り取って残った茎は天日乾燥をしてから、月桃紙に姿を変えています。2000年に開催された第26回主要国首脳会議(沖縄サミット)では、各国の首脳にふるまわれた晩餐会のメニュー表として採用された実績を持っています。そのほか、住宅やホテルなどの壁紙としても活用されています。シックハウス症候群を気にする健康志向の施工主から、圧倒的な支持を受けてきたそうです。さらに、種子は健康の維持・増進に役立つ月桃茶として親しまれています。抗酸化作用の強いポリフェノールが豊富に含まれることもわかり、アンチエイジングの分野でも脚光を浴びています。現在、月桃の関連商品は那覇市の日本月桃で販売されています。

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日本の耕作地における有機JAS認定を受けた有機栽培の割合は約0.2%といわれています。そして、地方創生が注目を集める中、沖縄県内の生産者と企業が連携し、安心・安全なオーガニックにこだわりながら高品質、高付加価値の商品を消費者に届けている浜比嘉島モデルは、すばらしい取り組みの一つといえるでしょう。

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