農商工連携支援事業から生まれた平戸つる草抽出エキスで難病の乾癬が改善する
ふるさと納税で最も多い寄付額を集めているのが平戸市。平戸市は、長崎県の北西部に位置する人口3万4千人の地方都市です。旧平戸藩の城下町で、鎖国前は中国やポルトガル、オランダなどとの国際貿易港として栄えていました。農業、漁業、観光が盛んな平戸市の新名物として注目を集めているのが「つる草」。つる草とはのツルレイシのことで、いわゆるニガウリやゴーヤを指します。平戸つる草の葉(モモルディカチャランティア)から抽出されたエキスを配合した健康食品やクリームは、乾癬の改善に役立つことがわかってきました。
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乾癬とは、赤く盛り上がった発疹の上にフケのようなあかが付着し、ポロポロとはがれ落ちていく皮膚の病気です。患者さんの9割を占めるのが尋常性乾癬。皮膚の新陳代謝の異常が原因といわれています。治療法にはステロイドやビタミンD3などの外用療法、免疫抑制剤による内服療法のほか、紫外線を出す光を照射する光線療法などが挙げられます。
乾癬の改善に必要なのは、「炎症の抑制」と「新陳代謝の正常化」。平戸のつる草は乾癬の患者さんに最適です。平戸市内にある複数の契約農家で無農薬栽培されているつる草には、61種類もの有効成分が含まれています。その中でも注目の成分が、モモルディシン、チャランティン、バーバスコサイド、ジアチン、ラノステノールといわれています。
平戸のつる草最大の特長として挙げられるのが、強力な細胞活性力です。細胞活性度は、標準的な試薬(L‐アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩n水和物)の185倍に上ることが皮膚の線維芽細胞を使った実験で証明されています。乾癬の治療に平戸のつる草を取り入れている皮膚科の医師は、「皮膚の細胞が修復されることで、異常だった新陳代謝の周期が速やかに調整される。抗炎症作用のあるモモルディシンの働きも大きいだろう」と考察しています。ほかにも平戸のつる草には、抗酸化作用や抗糖化作用があることがわかっています。活性酸素の増加を抑えることにもつながるのです。
現在、久留米大学先端癌治療研究センターでは、平戸つる草の粒食品を併用したガン治療に関する試験が行われています。長崎県の農商工連携支援事業から生まれた新たなふるさと名物が、難病の患者さんを救う日は近いかもしれません。