骨・関節に効くコトブキ乳酸菌!農研機構が持つ"H61乳酸菌"のアンチエイジング効果

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私が院長を務めるはるみクリニックは、埼玉県八潮市にあります。整形外科に加えてペインクリニック(麻酔科)を併設し、痛みが長引いている患者さんの治療も行っています。クリニックには、さまざまな原因によって慢性的な痛みに悩まされている患者さんが多く来院されます。来院される患者さんのうち、最も多い症状が腰痛で、約4割を占めます。その中の約4割が腰部脊柱管狭窄症(以下、脊柱管狭窄症)の患者さんです。脊柱管狭窄症は背骨(脊柱)を構成する椎骨が加齢などによって変性し、椎骨の中にある脊柱管のすき間が狭くなって神経が圧迫される病気です。脊柱管狭窄症の代表的な症状として、歩行中に足腰に痛みやしびれを生じ、少し休むとまた歩けるようになる間欠性跛行が挙げられます。

高齢化に伴って患者さんが増えている脊柱管狭窄症は、老化現象の一つといえます。脊柱管狭窄症の患者さんの多くは加齢によって骨密度が低下しているため、骨粗鬆症やその予備軍と考えられます。骨密度は、骨の中に存在するカルシウムなどの量を測定することで骨の強度を測る指標です。私たちの骨は、骨代謝と呼ばれる新陳代謝によって古い骨が壊され、新しい骨が作られています。骨密度は体の成長とともに30歳ごろまで上昇しつづけ、その後は加齢とともに低下していきます。骨密度が低下すると骨が弱くなって骨の変形や骨がつぶれる圧迫骨折を引き起こすため、脊柱管狭窄症の原因になるのです。

脊柱管狭窄症によって長期的な痛みを感じている患者さんは、体はもちろん、心にも過剰なストレスがかかっています。とはいえ、頭痛や食欲不振、倦怠感といった副作用のおそれがある強い痛み止めの薬を使うことは、患者さんの日常生活に大きな悪影響を与えます。私のクリニックでは、患者さんの痛みをすべて消すのではなく、半分に抑えることをめざしています。薬の副作用を感じさせず、生活の質(QOL)を維持する治療を心がけているのです。

私のクリニックでは脊柱管狭窄症の患者さんに対し、血流を改善して神経の働きを高める治療や、痛みの原因をピンポイントでほぐすレーザー治療などを行っています。患者さんの症状によっては神経ブロック注射を行って、痛みそのものを緩和する対処もしています。脊柱管狭窄症は骨粗鬆症などの老化現象が大きく関係しているため、対症療法のみならず、加齢そのものに対抗する手段が必要だと、私は考えていました。そんな私が、脊柱管狭窄症をはじめ、痛みの軽減に役立つと期待しているのが、H61乳酸菌とその代謝物を凝縮したコトブキ乳酸菌という新型乳酸菌です。

コトブキ乳酸菌は国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が発見したH61乳酸菌と、その代謝物を凝縮した新型乳酸菌です。次世代の乳酸菌ともいえるH61乳酸菌は、農研機構が所有する約3000種類の乳酸菌の中で唯一、アンチエイジング(抗老化)効果が認められ、特許を取得しています。コトブキ乳酸菌を脊柱管狭窄症や変形性腰椎症、変形性ひざ関節症の患者さんたちに試してもらったところ、治療効果の向上が認められました。骨密度の改善のみならず、痛みが軽快している点も、ペインクリニックの専門医として注目しているところです。コトブキ乳酸菌を飲むことで痛みやしびれが軽減する理由は明らかになっていませんが、これまで行われた研究結果から考えられるコトブキ乳酸菌の働きをご紹介しましょう。

● 骨密度が上昇する

コトブキ乳酸菌を飲むことで、骨の質を維持しながら骨密度を高めることが期待できます。現在、骨密度を改善させるために多く使われている医薬品に、ビスホスホネート製剤があります。私たちの骨は、骨を壊す役割を担う破骨細胞と、骨を新しく作る役割を担う骨芽細胞の連携プレーによって作られています。医薬品のビスホスホネート製剤は、破骨細胞の働きを抑えることで骨密度の低下を防いでいます。骨密度を高めるために破骨細胞の働きを抑えることは有効な手段ですが、骨芽細胞との連携プレーは乱れてしまいます。私たちの骨は1年間で2~3割が新しく入れ替わりますが、ビスホスホネート製剤を使うと骨の新陳代謝(骨代謝のサイクル)が遅くなり、骨の質が向上しにくくなるのです。コトブキ乳酸菌は、加齢によって増加する破骨細胞の数を減らす一方で、骨芽細胞のもとになる細胞の数を増やすことが確認されています。コトブキ乳酸菌はビスホスホネート製剤と異なり、骨の増強を助けながら骨の減少を抑える働きがあるのです。

● 抗炎症作用を発揮する

脊柱管狭窄症や変形性腰椎症を起こしている患者さんの多くは、慢性的な痛みに悩まされています。痛みは患部で起こる炎症によって増幅します。炎症は体に起こっている異常を免疫細胞に伝える大切な反応ですが、長引くことで痛みの増幅につながります。痛みを軽減するには、炎症を抑えることが欠かせません。コトブキ乳酸菌は、ロイコトリエンB4(LTB4)という炎症物質の産生を90%以上も阻害することが明らかになっています。コトブキ乳酸菌を飲んだクリニックの患者さんたちに痛みの軽減が見られるのは、抗炎症作用の効果もあると考えています。

抗糖化作用を発揮する

糖化は体内の過剰な糖がたんぱく質と結びつく現象で、最終的にはAGE(終末糖化産物)という悪玉物質が作られます。AGEはコラーゲンの劣化を招くため、血管なら動脈硬化、骨なら、皮膚ならシミやシワによる老け顔といったように、全身のあらゆる組織を老化させてしまいます。いったん体の中で作られたAGEを体の外に出すことは難しいと考えられています。やっかいな存在といえるAGEに対抗できるのが、コトブキ乳酸菌です。神奈川県産業技術センターが行った実験によって、コトブキ乳酸菌はAGEの生成を98.8~99.6%と、限りなく100%に近い確率で抑えることがわかっています。体の中にAGEを作らせないことは、骨・血管・肌の老化を抑えることにつながります。血管を守ることによって、中高年以降に発症しやすい神経障害や症、症といった糖尿病の合併症を防ぐことも期待できるのです。

● 腸内環境が改善する

慢性的な痛みに悩まされている患者さんは、自律神経(意思とは無関係に内臓や血管の働きを支配する神経)のバランスが乱れ、便通の悪化や痛みの増悪などが見られることがあります。コトブキ乳酸菌によって便秘や腹部の違和感が改善されるとストレスが減り、自律神経のバランスも整うようになります。痛みの緩和にも役立つ好循環が生まれるのです。

中山晴美先生(はるみクリニック院長)

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