ポリフェノールは果実の30倍!うどん県の新名物はオリーブ葉だ
愛にきてうどん県。讃岐うどんで知られる香川県の特産品の一つがオリーブです。オリーブはオリーブオイルとして広く浸透し、さまざまな料理に使われています。
スペインやイタリアなど地中海沿岸で栽培されてきたオリーブ。日本で栽培されるようになったのは、1908年のことでした。香川県のほか、三重県や鹿児島県が発祥の地です。三重県と鹿児島県での栽培は、台風や害虫の被害により失敗に終わりました。栽培に唯一成功したのが、香川県の小豆島だったのです。香川県は、いまでも日本一のオリーブの生産量を誇ります。
オリーブの果肉を搾って作られるオリーブオイルには、不飽和脂肪酸のオレイン酸やビタミンE、ポリフェノールなどの健康成分が豊富に含まれています。オリーブオイルが体にいいといわれるゆえんです。
オリーブオイル人気の一方で、近年、葉のチカラにも注目が集まっています。オリーブの葉にも果実と同様、オレイン酸、ビタミンE、ポリフェノールが含まれていることがわかってきたからです。オレイン酸とビタミンEは果実よりも少ないものの、オリーブの生葉には果実の30倍以上のポリフェノールが含まれることが明らかになりました。オリーブに含まれる主なポリフェノールは、オレウロペインとヒドロキシチロソール。オレウロペインは、オリーブが持つ特徴的なポリフェノールです。強い抗酸化作用を持っています。
廃棄処分されていたオリーブの葉の機能性について研究してきた香川大学農学部の小川雅廣教授は、加工のしかたによってオレウロペインの含有量が変化することを報告。ポイントは「乾燥」という工程でした。オリーブオイルは100㌘あたり0.3~1.1㍉㌘なのに対し、乾燥させたオリーブの葉のオレウロペインは、最大で10㌘に増えることがわかったのです。
小川教授らの研究結果をもとに香川県では現在、オリーブの葉を使ったお茶が開発されています。そのほか、オリーブの葉をエサにしたオリーブハマチの養殖も始まりました。「くさみが少なく、さっぱりしていておいしい」という声が寄せられています。
オリーブには害虫がつきやすく、農薬が使われるのが一般的です。それに対し、香川県では手作業で害虫を駆除しています。安心・安全な香川県の新名物にも注目してください。